借金で苦しんでいるというケースでよく見受けられるのがクレジットカードの使い過ぎです。クレジットカードを使って滞納をしてしまい、どうにもお金を返せなくなってしまうという問題はよく発生しています。クレジットカードの滞納がもたらすリスクと、どうしても返済できない状況に陥ったときの対策について考えておきましょう。
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クレジットカードは口座引き落としによる後払いサービス
クレジットカードの支払いを滞納してしまうと大変なことになるというのはニュースなどでもよく取り上げられていますが、その深刻さについて理解できていない人はしばしばいます。滞納リスクについて確かな理解を得るためにはクレジットカードの基本的な仕組みについて知ることが必要です。
クレジットカードはクレジットカード会社との信用の下に成り立つ後払いサービスの一種として提供されています。原理的には簡単なもので、クレジットカードに加盟しているお店で買い物をすると気にはクレジットカードを提示してサインをするだけで買い物が可能です。この品物やサービスに対する代金は加盟している店がクレジットカード会社に請求するという形を取っています。そして、クレジットカード会社は一時的に立て替えをして、後日に利用者に請求して回収するという後払いの形が取られているのが特徴です。
そのため、クレジットカード会社としては確実に請求した金額を回収できないと、それがそのまま損失になります。利用者の支払方法として通常指定されるのが口座引き落としです。これはATMなどからの振込にしていると管理が大変という面もあります。
それに加えて振込忘れによって滞納が起こってしまうリスクを低減する措置にもなっています。利用者は十分な残高を維持していれば滞納しなくて済みますが、残高が足りていないと引き落としエラーが起こってしまってクレジットカードがお金を回収できなくなるでしょう。これが滞納の起こってしまうケースなので、基本的には残高を十分に維持していれば問題は発生しません。
滞納するとどのような状況になるのか
もし残高が足りなくてクレジットカード利用料の引き落としができなかったら滞納になりますが、通常はまずは督促状が届くだけで大きな問題にはなりません。メールや手紙による連絡の他、クレジットカード会社から電話がかかってくることもあります。すぐにその場で対応すれば特に支払額が高くなってしまうこともないというのが一般的です。
通常はその期日が設けられているので、その日のうちに対処しなければならないということもありません。しかし、その期日までに支払いができないと問題は大きくなります。クレジットカード会社によって対応は異なりますが、来月以降の支払予定になっている利用料の一括請求が行われ、さらにクレジットカードの強制解約の通知があるというのが典型的です。そして、滞納を始めた日から遅延損害金が計算されて上乗せされていきます。延滞利率についてもクレジットカードごとに異なりますが、キャッシングなどよりも高い利率になっていて少し放置しているだけで膨大な金額になりがちです。
そして、この問題がさらに大きくなるのが信用情報に傷がつくことです。クレジットカードの滞納については1年間または5年間保管されます。これは滞納を始めた日からではなく、滞納していたお金を全て返済してからの期間なので、もし返せない期間が長くなってしまうとそれだけ信用情報に問題がある期間も長くなります。信用情報に問題があると新たにクレジットカードを作りにくくなるだけでなく、ローンを借りられなくなったり、携帯電話を月払いで購入できなくなったりするのが一般的です。たとえ自力で何とか返済できたとしても後々までその影響が続いてしまうため、滞納は可能な限り避けなければなりません。
クレジットカードの滞納が続いたときにはどうなるか
もし滞納の督促状も来て、返済を迫られているのになお滞納を続けてしまったらどうなるのかについても理解しておくことが大切です。本当に借金に苦しんでいるようなケースでは返済できなくて困ることはあります。
このようなときにもクレジットカード会社がどのように対応するかによって多少の違いはありますが、最終的な対応は資産の差し押さえです。銀行預金などの現金資産だけでなく、土地や建物などの不動産、生命保険などが対象になり、基本的には換金できる可能性があるものは全て差し押さえの対象になります。それに加えて働いている人の場合には給与の四分の一を上限として差し押さえの対象とすることが可能です。
このような無理にも思える要求を通すためにはクレジットカード会社側にも苦労があります。裁判所を通して申請を行わなければならず、適切な手順で手続きを行うのに月日もかかるのです。そのため、クレジットカード会社もすぐに差し押さえを行う行うという結論に達しないこともあります。
それがかえって遅延損害金によって滞納している金額を大きくしてしまうことになり、裁判所から催促状を受け取ったときには返済がもはや不可能という状況になってしまうことも珍しくありません。できるだけ早めに対策を立てておかないとますます苦しくなってしまうのです。
返済に悩んだときには債務整理
クレジットカードの滞納をしてしまってもはや返済が難しいとわかったら、対策として重要なのが債務整理です。その分をとりあえずキャッシングで済ませようとしても借りるのが難しいだけでなく、さらに返済が困難な状況に陥ってしまいます。
まずは債務整理の専門家に相談してどのような打開策があるかを聞いてみましょう。債務整理には自己破産、任意整理、個人再生の三種類があり、どれが最適であるかはケースバイケースです。自己破産は全ての借金の返済を行わなくて済むようになる代わりに、最低限の生活をするのに必要な分を除いて全ての財産を手放すことになります。それが返済にあてられることになるというのが基本的な仕組みです。
任意整理の場合には借金を減額するための交渉を行う方法で、一定の収入があるときには認められる場合があります。個人再生は裁判所を通して借金の減額をする交渉をする手続きで、活用したい場合には個人再生が認められる条件を満たしているかどうかが重要です。また、個人再生の場合には借金は5分の1になりますが、返済期間が設けられていて3年から5年の間に返済を終えなければなりません。
これ以外にも三種類の債務整理には細かな違いがあるので十分に比較することが必要です。様々な違いを考慮してどれが最適かを考えるには専門家と詳細に相談することが必要でしょう。
まとめ
クレジットカードは口座引き落としによって支払いができる後払いのサービスで、基本的には口座に十分な残高があれば問題は起こりません。不足していると滞納になってしまい、督促状を送られて返済を催促されることになります。
この時点で対応すれば大きな支障はないものの、滞納を続けてしまうと最終的には財産を差し押さえされてしまうことになりかねません。差し押さえより前に返済することができても、信用情報が記録されてしまってクレジットカードやローンを新規に申し込むのが困難になり、滞納によって遅延損害金も上乗せされるので様々な負担が発生します。
できるだけ早めに対策を取ることが重要なので、返済が困難だとわかったら債務整理を検討しましょう。自己破産、任意整理、個人再生のどれが最適かは場合によって異なるので専門家に相談して納得できる結論を導き出すのが大切です。