親族の債務について・借金返済の義務は相続されるのか

親族の債務について・借金返済の義務は相続されるのか

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2018.10.26

 
 
 
 

 
 
 
 

相続というと、土地や現金などといったものが手に入り、その後の生活にプラスになるものといったイメージがあります。しかし、相続は必ずしもプラスになるものばかりではありません。遺産の中に、借金があった場合、それも相続対象です。相続により借金返済の義務が生じた場合、いったいどのような対処法を知ればよいかを説明していきます。

 
 

借金も相続の対象

 
 

親族が亡くなった場合、その親族が保有してた財産は遺産となって相続人へと相続されていきます。遺産には、様々な種類があります。よく想像されるものが貯金や現金に始まり土地家屋、貴金属に収集物などといった価値のあるものです。しかし、遺産の内容はそのような価値のあるプラスのものばかりではありません。価値のないものもあれば、逆にマイナスになるような遺産もあります。

 
 

マイナスの遺産の代表が借金です。借金も遺産のひとつとして相続対象となるので、借金とともに相続したならば、借金返済の義務も背負わなければなりません。少額の借金ならば、相続しても影響は少ないでしょうが、高額ならば大きな問題です。被相続人が残した財産がプラスのものよりもマイナスのものが多く、相続によりその後の生活に悪影響を与えることが予想されるならば、様々な対処法を講じなければなりません。

 
 

まずは遺産の内容を調べる

 
 

まずは遺産の内容がどのようなものなのかを知らなければなりません。プラスの財産を調べることも大切ですが、借金があるかどうかを知ることが重要です。もし、借金があることを知らないまま相続してしまうと、たとえ借金の存在を知らなかったとしても借金返済の義務は負わなければなりません。また、被相続人が死亡したことにより、返済が免除される可能性もあります。そのためにも、一刻も早く借金を調べることが重要です。
 
 

被相続人の借金を調べるためには、信用情報機関に情報開示を求めることが必要です。被相続人の死亡により返済が滞れば、債権者から督促がきて、それによりどこから借金をしているのかを把握することができます。しかし、悪質な債権者の中には、相続放棄ができない期間を過ぎてから督促をして、返済義務を負わせるといった手法をとることもあります。そのため、信用情報機関に問い合わせることが必要です。全国銀行個人信用情報センターやCIC、JICCなどが該当します。
 
 

また、被相続人が作った借金以外にも、気を付けなければならない場合があります。それが、被相続人が連帯保証人になっている場合です。連帯保証人の立場も、相続によって引き継がれるものなので、場合によっては他人の借金返済の義務を負うことになります。このことも注意してしっかりと被相続人に関する書類関係を見直すことが重要です。

 
 

被相続人の死後3か月間に気をつけるべきこと

 
 

遺産の中に借金があり、相続をしたくないと考えたとしても、なにも対処法をとらなければ被相続人の死亡後3か月後に自動的に借金返済の義務を負うことになります。これは、相続が単純承認されたからです。単純承認とは、相続する遺産を選別することなくすべて法に則り自動的に相続する状況のことを言います。相続は裁判所に申し出るなどといった手続きは必要ありません。被相続人の死後、3か月の熟慮期間が設けられますが、この間に何らかの手続きをしなければ、単純承認となってしまいます。もし、調べた結果、多額の借金があることが分かったのならば、3か月の間に何らかの対処をしなければなりません。
 
 

単純承認は、3か月の熟慮期間の経過以外にも承認されることがあります。それが、財産の全部、または一部を処分してしまった場合です。相続人が被相続人の財産の一部や全部を売却・譲渡などといった形で処分してしまうと、自動的に単純承認がなされたとみなされます。被相続人の預貯金を払い戻して相続人の生活費に充てた場合などといった些細なものでも該当するので、熟慮期間は被相続人の遺産の動きには注意しなければなりません。

 
 

一部の相続

 
 

多額の借金が遺産の中にあって、相続したくないと考えても、様々な事情により相続を放棄することができない場合もあります。そのような際に役立つ対処法が限定承認です。限定承認とは、プラスの財産と借金であるマイナスの財産を両方相続し、借金はプラスの財産の中で払える範囲のみで返済するという方法です。

 
 

被相続人が親族にも秘密にして借金をしている場合、借金の把握は非常に難しくなるので、この限定承認が非常に役立ちます。また、遺産の中に家宝や思い出の品、あるいは自宅などの生活必需品が含まれている場合にも限定承認が便利です。必要なものをしっかりと相続しながら、払える範囲の借金返済に応じることができるからです。

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

すべての遺産を放棄

 
 

プラスの財産をはるかに上回る借金というマイナスの財産があるならば、相続放棄をすることも一つの対処法です。相続放棄とは、プラスもマイナスも関係なく、すべての財産の相続権を放棄することです。マイナスの財産だけを放棄することはできないので、しっかりと考えてから行うことが必要となります。相続放棄は、熟慮期間の3か月の間に家庭裁判所に相続人から相続放棄申告書を提出することで完了します。

 
 

相続放棄をする際の注意点としては、相続権は他人に移るということです。たとえ相続放棄しても財産がなくなるわけではないので、相続に関する権利義務はすべてほかの相続人に移ります。勝手に相続放棄をしてしまうと、場合によっては相続権があると知らない親族に借金を押し付ける形にもなるので、しっかりとほかの相続人と相談してから行うことが必要です。
また、相続放棄は一度してしまうと取り消すことはできません。たとえ多額の借金があったとしても、場合によっては過払い金が発生しており、結果的にプラスの財産となる可能性もあります。しっかりと、遺産の状況を把握してから行わなければ後悔する可能性もあるので注意が必要です。

 
 

借金の相続と対処法

 
 

相続には、マイナスの財産の相続も含まれます。多額の借金を相続してしまうと借金返済に追われることになるので、相続前にしっかりと対処しなければなりません。単純承認をするのか、限定承認をするのか、あるいは相続放棄をするのか、いずれにもメリット・デメリットがあります。故人との思い出も関係するので、しっかりと財産の状況を熟慮期間の間に調べて、後悔のない手続きをしてください。

 
 

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