カードローンの返済やクレジットカードの支払いが難しくなった時、返済せずに放置する(踏み倒す)ケースが見受けられます。しかし、返済が滞っている限り督促の連絡は続きますし、延滞期間に応じて損害金が加算されるなど様々な影響が懸念されます。
借金を返済しないまま放置することによって発生する4つのデメリットを、日常生活の中で生じるリスクに触れながら解説します。
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返済されるまで督促の電話や手紙が続く
決まった返済日に返済額が入金されない場合、返済の延滞として翌日には督促の電話が入ります。最初は「入金を忘れていませんか」といったソフトな口調ですが、延滞が長くなるにつれて口調が厳しいものとなっていきます。入金予定日の確約を求められるケースもあります。
督促電話を無視しても、午前8時から午後9時の間であれば平日・休日問わず繰り返しかかってきます。そのため、職場仲間や家族に借金を知られるリスクが生じますし、着信音に伴う心理的なストレスも増すことになります。
電話での督促と同時に、手紙での督促も行われます。最初は普通郵便で、圧着式ハガキや封書で指定期日までの入金を促す書面が届きます。期日までの入金に応じない場合は、催告状・警告書等のタイトルで入金を求める文書が届きますが、簡易書留郵便や配達証明郵便が用いられることがあります。
最終的には、内容証明郵便によって法的措置の予告を伴う督促が行われ、なおも放置した場合には支払督促等の法的手続きに移行することになります。
自宅や勤務先に訪問して督促が行われることもある
電話や手紙による督促とあわせて、金融業者の担当者が直接自宅を訪ねてきます。本当に返済する意思があるのかを債務者に直接確認することが目的です。訪問可能性がある時間帯は、電話での督促と同様に朝8時から夜9時までの間ですが、予告なく担当者が訪れるケースが大半です。
担当者が同居人に借金について話すことはありませんが、債務者本人宛の督促状を手渡していくケースが考えられ、同居人に借金がばれるリスクは高まります。本人が帰宅後、訪問者との関係性を確認されて答えに窮する場面も想定されます。
担当者の訪問先に本人が住んでいないことが判明した場合でも、住民票や戸籍抄本(戸籍個人事項証明書)により最新の住所を把握した上で再度訪問が行われます。
また、正当な理由なく勤務先で借金を取り立てることは法律で禁止されていますが、電話や手紙での督促に応じず、担当者が自宅を訪問しても面会できないとなれば、勤務先の訪問が正当と認められることになります。したがって、債権者から逃げ切ることは困難といえます。
裁判所による支払督促を無視すると、給料や財産が差し押さえられる
電話・手紙・訪問による督促を無視し続けた場合は、裁判所から支払督促が届きます。債権者が借金残高の一括返済を求めている段階なので、今後の返済方法を債権者と直接交渉することはもはや不可能です。ただし、支払督促を受け取ってから2週間以内に異議申し立てを行えば、裁判所の決定という形で分割返済の同意が得られるケースもあります。
支払督促を無視したり、裁判所の決定に反して分割返済を行わなかったりした場合は、仮執行宣言によって給料や財産の差押えが許可されることになります。差押えには強制力が伴うため、残高を一括返済しない限り免れることはできません。
最初に給料の差押えが行われるケースが多いですが、毎月の給料手取り額(給与額面から税金や社会保険料を控除した額)の4分の1までが差押え対象となります。例えば手取り20万円の人の場合だと、差押え後の手取り額は15万円となり、差押え期間中の生活が苦しくなることが予想されます。
自宅内の品物が差し押さえられる場合は、裁判所の執行官が自宅を訪ねてきます。執行官が家中を探し回って差し押さえる品物を決めるため、同居人のプライベート部分の確認に及んだ際に、債務者と同居人との間でトラブルになることも考えられます。
携帯・スマホの割賦契約や賃貸住宅の契約にも影響が及ぶ恐れも
借金返済を踏み倒して放置している間は、個人信用情報に延滞の記録が残り続けます。そのため、新たなローンやクレジット契約を結ぶことは難しくなりますが、日常生活にあたっては少なくとも2つのデメリットが発生します。
1つ目は、携帯電話やスマホの機種変更の際に、分割払いでの機種購入ができないことです。新機種を分割払いで購入する場合は負担額が実質0円の場合でも、個人信用情報を参照して割賦契約の可否を判断されます。割賦契約を結ぶことができない場合は、現金一括払いで機種購入を行うこととなるため、最新機種を購入する上でのハードルが上がります。
2つ目は、賃貸住宅の契約の幅が狭まることです。入居審査時にクレジット会社の家賃保証契約が求められる場合、クレジット会社側で個人信用情報が参照されます。個人信用情報に延滞の記録があり、毎月の家賃支払に支障ありと判断された場合には、気に入った物件であっても入居できません。家賃支払時に、不動産会社指定のクレジットカード契約が必須の場合も同様です。
借金を踏み倒すことを考えずに、少額でも返済することが大切
以上のように、借金を踏み倒すことによって日常生活に様々な影響が発生します。
毎月の約定返済額に満たない金額を返済したとしても、金融業者では返済を拒むことはありません。全く返済されないよりも、少額でも返済されることを望んでいるからです。また、返済計画の相談に応じる金融業者も多いため、借金の返済が難しいと感じたら早めに業者の担当者に相談しましょう。