借金減額とは、借金の返済が苦しいときの救済措置として国が認めた制度です。
インターネット上では、無料で借金減額診断を行えるサイトもあり、気軽に利用することが可能となっています。
それでは、実際に借金減額を申し込んだ後の流れはどのようになっているのでしょうか。
そこで、この記事では、借金減額申し込み後の流れについてご紹介していきます。
①委任契約を結ぶことにより取り立てがストップする
②任意整理により過払金が発生していることがある
③和解が成立した後は返済を続けていく
目次
借金減額(任意整理)申し込み後の流れ
借金減額は専門用語で債務整理と呼ばれます。債務整理のうち「任意整理」は裁判所を介さずに行うため、手続きがそこまで繁雑ではなく検討したい方法の一つです。
ここでは、任意整理の手続きの流れについて解説していきます。
①相談・依頼
ますは、自身が任意整理できるのかを、弁護士・司法書士などの専門家へ相談します。
このときに、現在の借金の返済状況や借入先、自身の収入がわかる書類などを用意しておくと、より具体的な内容を相談することができます。
実際に任意整理を依頼することを決定したら、正式な依頼として委任契約を締結します。
専門家によっては、委任契約の締結時に着手金が必要となることもあるため、紹介の相談時に着手金の金額や支払方法について確認しておくとよいでしょう。
相談する前にあらかじめ書類を準備しよう!
②債権者へ受任通知を送付・取引履歴の開示請求
専門家は、委任契約締結後に債権者である貸金業者に対して受任通知を送付します。
この受任通知を送付することにより、貸金業者は直接の債権取り立てを停止させられます。
また、受任通知の送付と同時に取引履歴の開示請求を行うことが一般的です。
債務者の取引履歴から、現在の借入残高や支払い状況、これまでの返済から法律上の上限金利を超えた利息を支払っていないかなどを確認します。
受任通知の送付によって取り立てがストップするんだね!
③取引履歴をもとに引き直し計算
開示された取引履歴から、「引き直し計算」と呼ばれる利息の再計算を行うことが一般的です。
これは過去の返済で支払った利息の金額が、利息制限法に定められた上限を上回っている場合、過払金返還請求によって返金される可能性があるためです。
返済状況によっては過払金が発生するんだね!
④状況により過払金返還請求
引き直し計算により過払金が発生していることが明らかになった場合、過払金返還請求を行います。
この返還請求を行うことにより、借金の元金が実質減額となることもあります。
従って、引き直し計算により過払金発生の有無を確認することが、任意整理によって非常に重要なポイントとなります。
⑤債権者との和解案を作成・交渉
引き直し計算により算出された金額や、過払金返還請求の結果をもとに、専門家が債権者である貸金業者との和解案を作成します。
作成された和解案をもって、債権者との交渉が始まります。
この際に、債務者が交渉に加わることはなく、あくまでも専門家と債権者との間で交渉が行われます。
⑥和解不成立であれば特定調停へ
債権者と和解案の折り合いがつかない場合、特定調停へと移ることがあります。
特定調停とは、債務者と債権者の和解を簡易裁判所が仲裁する仕組みのことをいいます。
調停が終わるまでの期間は、概ね3~4か月程度です。
⑦和解契約を締結する
和解案について、債権者との交渉により合意に至った場合、和解成立となります。
以後は債権者と債務者の両者が合意した条件に基づき、和解契約を締結します。
和解契約の締結後、債務者は契約内容に則って引き続き返済を続けていきます。
まとめ
ここまで、借金減額の流れについてご紹介しました。
任意整理は裁判所を介さないため、自分で進めることも可能ですが、これまで紹介してきた手続きの流れを法律知識が無い状態で進めることは困難です。
実際に借金減額を依頼する際には、弁護士や司法書士などの専門家へ相談するようにしましょう。
専門家のアドバイスをもとに、自分の状況に最適な借金減額方法が分かります。