親にも言えない!大学生が借金の返済に苦しむときの解決法

大学生になると、高校生のときよりも出費が増えるのが一般的です。地元以外の町に進学すれば家賃などの生活費が必要になり、実家の仕送りだけでは到底生活できないという学生は少なくありません。そこで借金をして、返済に苦しむ学生も出ています。

借金の返済に困ったときはどうすればいいのでしょうか。今回は学生の借金と債務整理という選択肢について考えていきます。

目次

大学生はどうやってお金を借りる?

成人以上でなければ、基本的にキャッシングやカードローンの利用ができません。クレジットカードを作るにしても、20歳未満では親権者の同意が必要です。ただ、4年制大学であれば在学中に20歳になるので、学生でも借金ができます。

元来キャッシングは少ない額を無担保で短期間だけ借りる借金を指し、返済方法は一括払いです。反対に大きい額を長期間借りて分割払いで返済していく借金を、カードローンといいます。クレジットカードにもキャッシング機能が付いていますが、キャッシング専用カードもあります。

カードローンは、銀行系と消費者金融系、信販系に分けることができ、前者2つを利用している人が多いです。また、消費者金融を利用する7%が大学生だといわれています。

それに学生を対象にした学生ローンという商品も販売されており、担保や保証人が不要ということで、大学生に最も敷居が低いローンと言えるでしょう。審査が厳しくないため、週に数回程度アルバイトしている学生でもカードを作りやすくなっています。アルバイト先に在籍確認されることもほぼありません。大抵の学生ローンでは、貸付上限額を50万円としており、少ない金額であれば即日ないし翌日に融資してくれる場合が多いです。

とはいっても、収入額によっては50万円も借りられません。貸金業者が貸付できるのは年収の3分の1までの金額です。ただ、審査時に収入証明書を提出しなくて良いので、収入を偽って多くのお金を借りられるようにする学生もいます。

商品ごとに金利が違いますが、一般的に学生ローンの金利は銀行カードローンと同じくらいで、消費者金融のカードローンより低めです。利用しやすい学生ローンであっても、借金なので利子を含めて返済しなければいけません。返済計画をしっかりと立てて、確実に返していくことが大切です。

返済日から3ヶ月以上滞納すると、信用情報機関に事故情報として滞納情報が載ります。これがいわゆるブラックリストに載るという状態です。ブラックリストから事故情報が消去されるのは、滞納を解消した1年後です。

返済期日までにお金が用意できない場合は、早めに融資先に連絡します。相談次第では返済日を遅らせてもらえる可能性もあります。それでも返済が遅れると、利息以外に日割り計算の遅延損害金も加算されるので、注意が必要です。遅延損害金が膨らんで益々返せない状況に陥るケースもゼロではありません。

任意整理という借金整理法

借りたお金をどうしても返せない場合、他社から借金しようと考えるかもしれませんが、ブラックリストに載っているので難しいでしょう。親に相談するのが安全な方法ですが、それができない場合は債務整理を考えるのも一つの方法です。

債務整理の一つである任意整理は、基本的に弁護士が債権者と返済金額や返済期間について交渉する方法です。裁判所を通さない交渉事になるため、難易度の低い債務整理といえます。この先かかってくる予定の利息や遅延損害金分をカットしてもらうための交渉が主で、必ず支払える金額での分割払いに応じてもらうこともあります。

任意整理にかかる弁護士費用は、債権者1社当たり3~5万円で、それに減額報酬が加算されることがほとんどです。減額報酬は、減額できた借金の10%くらいが目安です。弁護士費用を払ってから返済がスタートすることになるので、弁護士費用と借金のダブル返済とはなりません。一般的な返済期間は3年間ですが、交渉次第ではもう少し長期にすることも可能です。

弁護士費用に関しては、法テラスの民事法律扶助という制度を利用するのも一案です。報酬金は発生せず、着手金だけで済むため、普通に依頼した場合よりも安くなる可能性があります。また、支払いは手数料無しで立て替えてくれて、法テラスへの返済は月々5千円からの分割払いが可能ですから、無理なく返していけます。

弁護士費用を抑えたい人は、自分で任意整理することも可能です。最初に債権者へ取引履歴の開示請求を行い、それが届いたら利息の引き直し計算をします。そして、返済計画を立てて、債権者に任意整理の旨を伝えます。返済計画は、無理なく返すためには何回払いなら大丈夫なのかを、振込手数料も加えて熟考することが重要です。元本を減らす交渉は難しいので、将来利息や遅延損害金のカットに的を絞るといいでしょう。

ただ、一般の人との交渉を快く思う債権者は多くありません。場合によっては断られる可能性もあります。これは知識が豊富でない一般の人と、弁護士などの専門家と話すのでは、かかる時間に違いがあるからです。それに交渉の場を作ってくれたとしても、必ずしも成功するわけではないことを知っておいてください。

無事に交渉が成功し、和解できたら、和解書などの書類が作成されます。この書類の中に記載されている、支払いの遅延に関するペナルティの取り決め項目、懈怠約款にはしっかりと目を通して確認しておきましょう。

もし交渉が失敗しても、その段階で弁護士に頼むこともできます。弁護士は債務整理に強い事務所が安心です。また、いきなり法律事務所に行くことに躊躇する人は、法テラスや役所などで行われる無料法律相談を利用してみるといいかもしれません。

特定調停という方法もある

あるいは、特定調停という債務整理を選ぶのも一つの方法です。特定調停は、債務者と債権者の間に弁護士ではなく裁判所に入ってもらう和解交渉になります。

任意整理との違いは、債権者からの取立てがストップする時期です。弁護士に依頼した場合は、すぐに督促が停止されますが、特定調停では簡易裁判所に申し立てをした時点となります。

申し立てに必要な書類は、債権者一覧表や住民票、戸籍謄本など7種類ほどと、申立書です。すぐに書類が集まり、裁判所に提出できればそれほど時間はかからないでしょう。かかる費用も数千円以内に収まることがほとんどです。

それから、任意整理よりも時間がかかります。申し立てが受理され、第一回調停期日を知らせる呼び出し状が届くのでも、数週間後です。第一回調停期日では、申立人だけが出向き、調停委員のメンバーから返済状況や今後の見通しなどについて質問されます。

そして第二回調停期日は債権者も招集がかかっていますが、債務者と顔が合わないよう別の部屋に通されます。調停委員が両者の主張を聞いた上で調停案を出してくれ、互いに承諾したら調停成立です。

特定調停は裁判所が開く平日のみに行われ、時間を指定することはできません。調停成立までにかかる期間の目安は3ヶ月ですが、混んでいる裁判所の場合は時間がかかることもあります。

まとめ

学生でもキャッシングやカードローンを利用している人は珍しくありませんが、手軽に借りられるからといって安易な気持ちで借金をすると、後々返済に窮する可能性があります。無理のない返済計画を立ててから借金することが大切でしょう。特に奨学金を卒業後に自分で返済していく予定の人は、慎重になってください。しかし、どうしても返せなくなったときは、債務整理という救済方法を利用するのも一つの方法です。

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