過払い金請求がしたい!弁護士費用はどれぐらい?
カードローンやキャッシングなどで、貸金業者に払い過ぎた過払金。この過払金を請求をする場合、どうすればいいのでしょうか?過払金の請求は、弁護士に頼むことができます。それでは、過払金請求の費用は一体どれぐらいかかるのでしょうか?
この記事では、過払金が気になる方、過払金で悩んでいる方、過払金請求で弁護士費用がどれぐらいか分からない方に向けて、過払金の仕組みと過払金請求の相場をご紹介します。
目次
そもそも過払金ってなに?
過払金とは、本来払う必要がないにも関わらず、カードローンやキャッシングで払い過ぎたお金のことを指します。長期間に渡って借金の返済を続けている方は過払金が発生していることがあります。貸金業法が改正される前は、消費者金融やクレジットカードなどの貸金業者はグレーゾーン金利を設定していました。
グレーゾーン金利とは、利息制限法と出資法の上限金利の間の金利のことです。利息制限法では上限金利を15〜20%に設定してました。100万円以上であれば15%、10万円〜100万円未満であれば18%、10万円未満であれば20%と決まっていました。しかし、出資法では刑事罰の対象になる上限金利を29.2%と設定していました。
この2つの法律の間の金利が、グレーゾーン金利です。出資法を超えなければ刑事罰の対象にならないので、貸金業者は長年グレーゾーン金利で、違法な金利を徴収していました。この金利分が、払い過ぎな金利であり、過払金ということになります。
過払金請求の請求とは?
2006年12月13日、貸金業法の改正が決まり、出資法の上限金利も15〜20%に引き下げられました。そして2010年6月18日の改正貸金業法の完全施行により、グレーゾーン金利は完全に撤廃されました。グレーゾーン金利で払い過ぎていた金利は、過去にさかのぼって過払金を請求することができます。
過払金の請求とは、払い過ぎた金利を貸金業者に請求して、取り戻すことです。過払金の請求はさかのぼることができますが、過払金請求には時効があります。過払金請求の時効は、最後に借り入れもしくは返済をした日から10年に設定されています。この10年という期間内であれば、過払い金請求によって過払い金を取り戻せる可能性があります。
過払金の対象者は少数ではありません、過払金、グレーゾン金利の対象者は、1000万人を超えると言われています。ここまで対象者が多い理由は、過払金にはキャッシングが含まれているからです。キャッシングに関しては、日本人の5人に1人、1400万人以上が利用していると言われています。利息制限法の第1条には、その利息が一定の水準を超える場合には、その超過部分は無効とすると記載されています。
利息制限法の一定の水準とは、100万円以上が15%、10万円以上100万円未満が18%、10万円未満が20%となっています。ほとんどの貸金業者がキャッシングでも20%を超える金利を取っていたので、裁判を起こされて、過払金を返還しなさいと判決が出ました。それにより、キャッシングの利用者も過払金を請求することができます。過払金の金額は、平均すると1人あたり80万円を超える水準と言われています。少しでも過払金を払っていた可能性があるならば、弁護士に頼んで過払金請求をした方がいいかもしれません。
過払金請求の相場は?
それでは一体、過払い金請求を弁護士に頼むと、どれぐらいの費用がかかるのでしょうか?
弁護士費用は大きく分けて3の費用で構成されています。着手金、報酬金、実費の3つです。それぞれ順番にご説明していきます。
着手金は、無料の弁護士事務所もあれば、有料のところもあります。有料のところでも大体2万円以内に収まりますが、4万円ぐらいかかるところもあります。着手金は、過払金請求をしても過払金が戻ってこない場合でも、返還されない金額です。事件が成功するか不成功になるか、その結果に関係なく支払う必要のある費用です。
事件が半年で終わるのか1年で終わるのかは分かりませんが、相当な時間がかかることもあります。事件に着手して、どれぐらいの時間がかかるのかの弁護士活動の対価に対して、支払う金額です。着手金の設定金額は、弁護士によって違います。また、過払金請求を行う貸金業者の数に応じて、着手金の金額も上がります。1社につき2万円ほどが相場になるので、仮に4社に請求する必要があれば、8万円前後になります。
次に、報酬金です。報酬金は事件が終わってから払う弁護士費用で、着手金とは別のものです。日本弁護士連合会では、きちんとしたルールを設定しています。
解決報酬金は、貸金業社との事件が解決した時に支払う報酬金で、1社あたり2万円以下と設定されています。
過払報酬金は、仮に貸金業社が請求した金額200万円に対して50万円の過払利息があった場合、その20%というルール則って、10万円以下になります。同様に、減額報酬金は、貸金業社が請求した金額から減額することができた金額の、10%になります。50万円減額ができれば、5万円になります。
また、着手金や報酬金とは別に、実費がかかってきます。訴訟を起こして過払金請求をする際に、収入印紙と切手代を裁判所に納める必要があるのからです。実費は、事件の解決に至るまでに必要だった収入印紙代や切手代に加えて、交通費などの費用も入ります。多くの場合は依頼者が負担する費用になります。
収入印紙の金額は、過払金の返還を求める金額に応じて変わります。50万円の過払金を請求する場合は5000円、100万円の過払金を請求する場合は1万円、200万円の場合は1万5000円の収入印紙代がかかります。郵便切手は訴訟を始める前に裁判所に納める必要があり、原告1人被告1人の場合は6000円かかります。いずれも1人増えるごとに2000円が追加でかかります。
以上の金額例を踏まえて、1社の貸金業社の100万円の負債から50万円の過払金請求に成功した場合は、着手金が2万円、報酬金が2万円、過払金報酬が10万円、減額報酬が5万円、実費が1万6000円、全てを合わせた弁護士費用は、20万6000円になります。
まとめ
このように、弁護士費用には着手金、報酬金、そして実費がかかります。これらの費用はどれもが理にかなっています。着手金は事件に着手する段階で支払うものであり、報酬金は実際に過払金請求が認められた時にだけ、その一部を支払うものです。実費に至っては、弁護士ではなく裁判所に支払う、手続き上必要なものです。
ほとんどの弁護士費用は、事件解決の時に払うものです。報酬金を支払うということは、過払金の請求が成功したことを意味しています。過払金請求で取り戻せたお金は、弁護士費用を払っても、まだ十分に手元に残ります。過払金の対象者は労働者の5人に1人であり、過払金の平均金額は、一人当たり80万円と言われているほど大きな金額です。依頼者も弁護士も一緒に喜べるのが、過払金請求です。過払金で悩んでいる方、過払金の請求方法が分からない方は、一度弁護士に相談してみるのがいいでしょう。
すぐに事件として着手する前に、相談するだけでもメリットがあります。一人で悩んでいるだけでは、解決しません。専門のプロフェッショナルに相談しましょう。取り戻せないと思っていた過払金が、取り戻せることになるかもしれません。弁護士に相談するだけでは大きなお金はかかりませんし、弁護士事務所によっては無料で相談を受け付けているところもあります。