もし借金を返さない・返済困難・放棄・遅延した場合などに起こりえること

カードローンによる現金の借り入れや、クレジットカードの分割払いやリボ払いなど、借金の種類は様々です。順調に返済を進めていても、返済が困難になる事情や場面が発生するかもしれません。借金を返済しない場合にどんなことが起こるのか、そして返済が困難になった時の対応方法について、記事の中でお伝えしていきます。

目次

うっかり延滞を防ぐために

借金の返済にあたっては、基本的に月1回の返済日が決められています。一方、カードローンの中には35日ごとに返済するタイプのものがあるため、次の返済日はいつかを意識する必要があります。
返済方法は、口座自動引き落としや金融業者指定ATM返済が一般的ですが、いくつかの注意点があります。 
 
自動引き落としでの返済では、預金残高不足とならないように、引き落とし前日までに通帳やネットバンキング等で預金残高を確認し、不足があれば入金しておくことが重要です。返済日と同じ日に複数の支払いがある場合には、預金者側で引き落としの順序を指定できないため、返済額を含めた引き落とし合計額も要確認です。特に、公共料金等の再引き落としの予定がある場合には要注意です。 
 
金融業者指定ATMでの返済では、返済期日と実際の返済日が離れすぎていると、約定日返済ではなく任意での増額返済として取り扱われる場合があります。早めに返済したのに実際には延滞扱いとなっていたという事態を防ぐためにも、約定日返済として取り扱われる期間の確認が重要です。返済時に利用可能なATMや稼働時間の事前確認も忘れないようにしましょう。

延滞後数日以内に起こること

返済日に借金が返せないと、早くて翌日に督促の電話が入ります。金融業者によっては、督促状を発送した後に、到着確認を兼ねた督促電話を行う場合があります。電話の内容は、借金の返済が遅れている事実の告知と、入金予定日の確認が主なものとなります。約束した日までに返済を行えば督促電話は終了となりますが、返済を行わなければ再度督促の電話が入ることになります。初回の督促であれば、穏やかな口調での対応が多いようです。 
 
電話が入る可能性がある時間帯は、貸金業法の規制によって午前8時から午後9時の間となります。最初に契約者本人の電話に連絡が入りますが、複数回電話に出ない場合等、勤務先に電話が入るケースもあります。いずれの場合も、最初は個人名を名乗り、電話に出た人が契約者本人だと確認が取れた時点で業者名を名乗ってきます。本人以外には、家族であっても社名や借金の内容を伝えることはありません。 
 
また、督促状が自宅(書類郵送先を勤務先に指定している人は、勤務先)に届きます。圧着式ハガキ又は封書の中に、借金の返済が遅れている事実と、返済分についての支払期限・支払方法が記載されています。督促状に支払用紙がセットされている場合もあります。ただし、郵便物に金融業者名が入っている場合があるので、郵便物を目にした人に借金が知れる可能性があります。
なお、返済が遅れたことを自分で認識している場合には、督促より先に今後の支払方法について相談することも可能です。

延滞が長期化した場合に起こること

借金の返済を延滞した場合、延滞が解消されるまで該当業者からの追加借入はできなくなります。クレジットカードの場合には、該当のカード会社発行の全カードが利用停止となります。返済日より遅れて支払を行った後は、数日以内に追加借入やカード利用の停止が解除になりますが、業者の判断により利用停止期間が数か月間に及ぶ場合があります。利用停止が解除されても、利用可能額の減額や、クレジットカードの場合にはキャッシング枠や分割払い・リボ払い枠の廃止又は減額といった条件が付くこともあります。 

概ね3か月以上の長期延滞となったり、短期間であっても延滞を繰り返したりしている場合には、強制解約となる可能性が出てきます。この場合、期限の利益を失い残債の一括返済を求められますが、実際には強制解約前の条件で返済、または業者との話し合いで合意したスケジュールと金額での返済のいずれかになるようです。ただ、督促電話や督促状の言葉が厳しくなる他、連絡を無視し続けていると金融業者の担当者が自宅へ訪問してくる可能性も出てきます。 

返済の延滞情報や強制解約情報は、個人信用情報機関に登録されます。個人信用情報機関は、CIC・日本信用情報機構(JICC)・全国銀行協会(KSC)の3か所あり、金融業者によって契約機関が異なります。しかし、延滞情報は個人信用情報機関との間で情報交流がなされているため、金融業者が契約していない機関の延滞情報を参照することが可能です。したがって、延滞中に新たなローンやクレジットカードの契約は困難とされています。また、金融業者では定期・不定期に信用状況のチェックを実施しているため、延滞していないローンやクレジットカードに対しても利用可能額減額や強制解約の可能性も出てきます。

借金を放置すると法的措置を受ける

強制解約後も借金を返済せずに放置し続けると、内容証明郵便による督促に移行します。督促を、保証会社や債権回収業者に委託する金融業者もあります。内容証明郵便には、一括返済を求めることと、返済に応じない場合には法的措置に移行する旨が書かれていますが、この段階でも今後の返済額とスケジュールを相談することは可能とされています。さらに放置し続けると、実際に法的措置を受けることになります。 
 
具体的には、裁判所から特別送達郵便で支払督促が届くことになりますが、2週間以内に書面で異議申立を行うことができます。異議申立後は通常訴訟に移行しますが、実際には裁判所が間に入って今後の支払計画と金額を取り決めて和解していく流れとなります。
和解後に支払を行わない場合、又は支払督促を受け取ってた後も無視を続けた場合には、強制的に財産の差し押さえを受けることになります。給与の4分の1までの差し押さえや、換金可能な財産の差し押さえがメインですが、職場や家族に借金の事実が知れてしまいます。差し押さえは、借金全額の完済まで続くことになります。

債務整理も選択肢の一つ

ただ、借金の額によっては債務整理を検討することも対応の一つといえます。裁判所が関与する債務整理の方法は3つありますが、特定調停を除き抱えているすべての借金を整理対象とする必要があります。
1つ目は、特定調停です。簡易裁判所の調停委員が間に入り、債権者と債務者とが話し合って和解を進める手続きとなります。
2つ目は、個人再生です。裁判所が認めた計画通りに返済が完了すれば、残りの債務が免除となる手続きとなります。住宅ローンを除く借金総額が5000万円以下で、将来にわたり継続的な収入が見込めることを条件とする小規模個人再生と、サラリーマンが主な対象となる給与所得者等再生手続の2通りがあります。
3つ目は、自己破産です。免責許可の決定を受けることで、債務全額が免除される手続きです。
いずれの手続きも、裁判所の窓口で相談しながら自分で対応することが可能ですが、個人信用情報機関に債務整理をした事実が一定期間登録されます。

まとめ

以上でお伝えしたように、借金を返さないままでいると、新たにローンが組めなくなったり等様々な不利益が生じる恐れがあります。返済が延滞している場合でも、業者と支払方法を相談する機会は何度かありますし、裁判所を通じて借金を整理する方法もあります。借金問題を自分一人で抱え込む前に、専門家へ相談してみてはいかがでしょうか。

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