自己破産手続きは自分で出来る?

「毎月の返済がどうにも苦しい」「生活費に回す分がない」という程に借金で苦しんでいる場合には、思い切って自己破産という方法をとることも1つの手段です。

しかし、本当に自己破産して良いのかどうか、その見極めが難しいという事もあります。こちらでは自己破産が認められる大体の目安と、自己破産手続きを自分で行う際の流れについて解説します。

そもそも自己破産をするかどうかはどうやって見極める?

自己破産をすると借金を綺麗にすることが出来るのですが、やはり「借りたお金は返さなければならない」という思いが強い人が通常です。多かれ少なかれ、なるべく自己破産をしないようにするために他の方法で返済の努力をするかと思われます。

しかし実際に、借金が増えてどうにもならない状態にまでなってしまうことがあります。そのような状態でも返済のために無理をしてしまうと、最悪の事態を招いてしまう事にもなりかねません。そういう時には自己破産するというのも方法の1つなのです。

では、自分の借金額が自己破産した方が良い程度かどうかはどのように見極めれば良いのでしょうか。実はここが中々難しい点です。自己破産の申し立ては裁判所に対して行いますが、その裁判所で自己破産出来る借金総額などが明確にされているかというと、そのような基準はありません。

裁判所が自己破産を認める条件というのは、とてもシンプルです。ただ1つ、「借金を返済出来るかどうか」だけです。返済不能とされると自己破産が認められます。

例えば、生活保護を受けている状態の人であれば100万円の借金でも返済不能とされる可能性はあります。しかし一方で、会社を立ち上げた際に300万円の借金をした人が、現在は業績好調で仕事が継続的にあるのであれば、借金が辛いので自己破産したいと申し立てたとしても現実味がありません。また、今は職についていない人が今後は職に就けそうなのか、それとも病気などが原因で今後も難しそうなのかといったようなことも考慮されます。

自己破産が認められるかどうかは借金総額だけではなく、その人が現在置かれている状況などにもよるため、はっきりしたことは言えないのです。しかし、少し具体的な目安を挙げるとすれば、売却出来るような財産を所有していなかったり、安定した収入がなく、返済を続けると生活が出来ないという場合には自己破産が認められるケースが多いようです。

また、毎月の手取り収入の額から生活費などを引いて返済に回せる金額を算出し、その額を返済していった時に3年間で返済出来ないようであれば、自己破産を利用可能と考えられます。

自分が置かれている状態を、より客観的に見たいという場合には、無料で行われている法律相談などを利用してみるのも方法の1つです。誰かに話すことで自分でも少し冷静に考えることが出来るようになりますし、自己破産した方が良い状況かどうかもそれで分かることがあります。

自己破産と決めたら一番最初にすべきこと

自己破産をすると決めたら、まず一番最初にすべき大切なことがあります。それは自分の借金の借入先と、それぞれの借入金額、そして借金の総額を明確にして把握することです。最初は簡単なメモにするだけでも構いませんが、もう少し先の段階まで進んだら、債権者とその金額、借金総額をリスト化して一覧で見れるようにしましょう。

自己破産の手続きの際には「債権者一覧表」を提出することが必要になります。自己破産が認められた際に、破産手続きとして借入先に通知するためです。このリスト化作業はそのための準備にもなりますし、そもそも、自己破産を始めとした諸々の債務整理の方法を考える際には、借金の総額がいくらなのかをもとにして考えます。借金総額を把握していないことには始まりませんので、この作業は早ければ早いに越したことはありません。

逆に、この借入先と借金総額を把握する作業が済んでいるのであれば、自己破産手続きの第一段階は既にクリアしていると言っても過言ではありません。

同時廃止事件と管財事件

自己破産手続きには同時廃止事件と管財事件という2種類があります。そもそも、自己破産というのは債務者の財産を債権者に公平に分配して、その残りに関しては免除してもらおうというものです。そのため、債務者に分配できるようなめぼしい財産があるかどうかによって、手続き内容が異なります。

債務者にめぼしい財産がある時には、管財事件として扱われます。選任された破産管財人によって財産の分配などが行われ、場合によって1年以上もかかる大変な手続きです。

債務者にめぼしい財産がない時は、同時廃止事件となります。分配すべき財産がないため、破産手続き開始決定と同時に破産手続きが終了します。

現実的に自分で行うことが可能なのは同時廃止事件です。また、実際に自己破産を申し立てる人の9割が財産を所有していない人ですので、以下、自己破産の手続きに関して述べることは、同時廃止事件に関してのものとさせていただきます。

自己破産手続きの大まかな流れ

自己破産手続きを自分で行う際の大まかな流れは次の通りです。
まずは自己破産するための申立書を作成します。申立書の他にも、手続きには自分で準備して添付しなければならない書類がいくつかあり、その書類が裁判所や債務者の状況によって異なる場合があるので、窓口に行って聞くなどの確認は必要です。主な書類としては、住民票や債権者一覧表、家計状況の一覧表、預金通帳のコピーなどがあります。

申立書を作成したら、その他必要な書類一式を準備して添付し地方裁判所に提出します。提出する地方裁判所は、債務者が実際に生活をしている住所地を管轄している裁判所です。

自己破産を自分で行う場合に必要な費用は、申し立て手数料や郵便切手代、予納金などを合わせて2~3万円程度です。

また、自己破産手続きは実際には破産手続きと免責手続きに分かれていて、債務者が支払い不能であることが認められると破産となり、さらに免責が認められて初めて借金が帳消しになります。手続きは別物ですが、申立書によって破産手続きの申し立てをすれば、同時に免責手続きの申し立てもしたものとされますので、申し立ては一度で構いません。破産が認められて免責が認められないということも、余程のことがない限りはありません。

最大の難関は書類の作成

自己破産手続きを自分で行う際の最大の難関は申立書を始めとする書類の作成です。これさえしっかりと作成出来たならば、それだけで手続きのほとんどが終了したと言っても良いくらいです。

基本的に作成書類は、決まった様式の用紙などが準備されて窓口で封筒に入って配られている訳ではありません。裁判所によってテンプレートがあったり、用紙が準備されているところもあるようですが、申立書に限らず、手続きに添付する際に自分で作成する類の書類は全て、必要な項目が書いてさえあれば形式は基本的には自由です。

また、申立書を裁判所に提出した際には、非常に厳しくチェックされます。チェックポイントは、記入ミスがないかや必要な書類が全て揃っているかなどですが、書類間で不整合がある場合も駄目です。例えば、借金総額の数字が書類同士で異なっているなども見逃されずにチェックされますので、提出前に十分に確認しましょう。とにかく、「この程度で大丈夫だろう」「この位見逃してくれるだろう」ということは自己破産手続きの場合には当てはまりません。

まとめ

自己破産するかどうかを決めるためには、まずは借金総額と全ての借入先を把握することが必要な第一歩です。

そして、実際に自己破産することを決めたならば、手続きを自分で行うことも可能です。その際には、申立書を始めとする書類一式の作成や準備を入念に行い、ミスや不整合のないようにしましょう。