債務整理デメリットを知ろう

借金で困っていませんか?債務整理を行うと、借金を圧縮して生活を立て直すことができます。しかしこの債務整理にはデメリットが存在します。

債務整理には任意整理、個人再生、自己破産、特定調停の4つの種類があります。具体的にどのようなデメリットが発生するのか知り、自分に合った債務整理方法を選択することで、デメリットを最小限にするよう行動していくことが重要です。

目次

ブラックリストに載ってしまう

債務整理の種類を問わず発生するデメリットが「ブラックリストに載ってしまう」ことです。では具体的にどのような不利益が生じるのでしょうか。

そもそも金融業界において「ブラックリスト」というリストは存在しません。クレジットカードを作ったり、ローンを組んだりすると、顧客情報が「信用情報機関」に登録されます。信用情報機関とは、個人の信用情報を管理共有している団体のことです。現在までにどのような借り入れがあったか、滞納なく返済できているかといった個人の信用情報がすべて記録されており、加盟している金融機関が契約する際の審査基準として用いられています。クレジットカードの作成やローンの申し込みを行うと、クレジットカード会社や金融機関は、加盟している信用情報機関に照会をかけ、その人の信用度をチェックするのです。

ブラックリストとは、この信用情報機関に事故情報が載ることを意味します。「信用情報に傷が付く」とも言われ、三か月以上の返済滞納や代位弁済、強制解約処分などの問題を起こすと、その事実が記録され信用力に難があるとされてしまうのです。債務整理も事故情報の1つです。
ブラックリストに載ってしまうと、クレジットカードを作ったりローンを組んだりすることができなくなります。

現在使用しているクレジットカードについても、更新不可となり使用できなくなってしまいます。クレジットカードが使えないとなると大きな買い物がしにくくなりますし、公共料金の支払いなどで使用しているなら支払方法を変更する必要が生じます。ローンが組めなければ家や車を買うことが難しくなり、場合によっては人生計画が狂ってしまうことになります。また、教育ローンなども組めなくなります。家や車は時期を変更することもできますが、子供の進学はずらせません。それだけに影響が大きくなることを覚悟しなければならないでしょう。

債務整理を行ってブラックリストに載ってしまっても、一定期間が経過すれば事故情報は抹消されます。そうすれば新たにクレジットカードを作ったり、ローンを組んだりすることは可能になります。また、債務整理を検討しているということは、少なくとも借金返済が滞りかけているということです。返済が滞ればどの道事故情報が掲載されることになるので、ブラックリストを恐れて債務整理を行わない、という選択は意味がないと言えます。

周りの人への影響は?

債務整理デメリットでやはり気になるのが、家族や保証人への影響です。これはどの手段を取るかによって変わってきます。

任意整理と特定調停は、家族や保証人に迷惑をかけることなく手続きを進めることが可能です。この2つは債権者との話し合いによって借金額の圧縮や返済条件の軽減などを決める手続きになります。任意整理は裁判所を通さず、特定調停は簡易裁判所に仲裁してもらうことになります。両者とも整理する債務を選択することができるため、保証人が付いている債務を選ばなくても済むからです。住宅ローンや自動車ローンを選択肢から外せば、家族へ影響を及ぼすこともないでしょう。

反面個人再生と自己破産は、家族や保証人に様々な影響を及ぼします。まずは家族への影響を考えてみましょう。自宅が自分名義であれば手放さなければならないため、家族も一緒に住居を変更しなければなりません。ただ個人再生の場合、住宅ローン特則を利用することができれば家を失うことはありません。クレジットカードも持てなくなるため、自分名義のカードを持っている場合、家族カードも使用できなくなります。

保証人への影響は非常に大きなものになります。個人再生や自己破産を行うと、保証人には借金の一括返済請求がなされます。本人の借金は減額されても、保証人の債務は減額されません。つまり自己破産によって本人の債務が全額免責されたとしても、保証人の債務まで消えてなくなる訳ではないのです。一括返済が難しい場合は、債権者との交渉によって分割返済にしてもらえる可能性があります。それでも返済が難しい場合は、保証人も債務整理を行う必要が生じるのです。

周りにバレる?

債務整理の事実を周囲には知られたくない、という人もいるでしょう。これもどの債務整理を選択したかによって変わってきます。影響があるのは個人再生や自己破産を選択した場合です。手続きを行うと、国が発行している機関誌である官報に氏名や住所が記録されることになるからです。

ただ日常的に官報を読んでいる、という人はまれですから、知人や勤務先の人に債務整理の事実を知られる可能性は低いと言っていいでしょう。官報はそもそも貸金業者や法律事務所の人間が読むものだからです。官報はインターネットでも公開されていますが、検索によって個人の氏名や住所が出てくることはありません。

公務員で共済組合からの借り入れをしている場合や、会社員が労働組合を介して借金をしている場合、個人再生や自己破産の手続きが職場に知られることがあります。これは債権者である共済組合や労働組合に通知が届くからです。退職金見込み額証明書の発行手続きを行ったときに気付かれることもあります。

家族に知られたくない、という人も多いですが、流石にこれは難しいと言わざるを得ません。自宅を手放す必要がなくとも、家計収支表や収入証明書を提出する必要があるからです。家族への影響はゼロではないので、しっかりと打ち明けて家族一緒に生活を立て直していく必要があると言えます。

任意整理や特定調停は、債権者との交渉によって借金を減額してもらう制度です。官報に情報が載ることはないので、気付かれる可能性は低いと言っていいでしょう。また、提出する書類も少ないので、家族に内緒で手続きを進めることも不可能ではありません。

職業に制限がかかることも

任意整理や特定調停、個人再生が直接職業と関係することはありません。しかし自己破産の場合は別です。自己破産手続きを行うと、破産開始決定から免責決定までの期間は一部職業に就けなくなります。

自己破産手続き中になれないのは「弁護士や司法書士などの士業」「公安委員会委員などの上級公務員」「商工会議所会員」「会社の取締役や執行役員、監査役」「古物商免許が必要な質屋」「証券会社員、警備員、保険会社の生命保険募集員」などです。

会社や団体によっては、自己破産して業務に影響が出た場合は解雇すると就業規則で決まっている場合があります。自己破産は法律で認められた権利ですが、就業規則に記載があり、入社時にそれを了承しているのであれば、解雇は正当だと認められる可能性が高くなります。すなわち解雇されてしまう可能性があるということです。

債務整理が将来の就職に影響がでる可能性もあります。それは銀行や消費者金融といった金融系会社へ就職する場合です。債務整理をしたからといって、法律的に制限が加えられるわけではありません。

しかし金融系の会社では、就職希望者の個人情報を調査することがあるため、ブラックリストに載っていることが影響する可能性はあります。採用段階では影響がなくとも、入社してからカードを作らされることは多く、その場合は間違いなく信用情報がチェックされることになります。金融系の会社に就職、転職を考えている場合は念頭に置いておく必要があると言えるでしょう。

まとめ

債務整理を行うと、様々なデメリットが生じることになります。

デメリットを最小限にするためには、自分に合った方法を選択することが重要になります。自分で決めるのが難しい場合は、弁護士などの専門家に相談するといいでしょう。自己判断で間違った選択をすると、自分だけではなく家族や保証人まで大きなデメリットを被ってしまうかもしれません。

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