他人に迷惑をかけないで借金に対処するには
借金をすると他人に迷惑がかかってしまうのが問題になりがちです。自分だけで全てを済ませられるようにしたいと考えたらどのようにしたら良いのでしょうか。借りる時点から考えておくべきことはありますが、既に借りてしまってお金を返済できずに困っているときでも対処できる場合があるので債務整理を検討してみましょう。
目次
保証人や連帯保証人がいらないローンを選ぶのが基本
まず借金をする時点で他人に迷惑をかけないようにするには返済できなくなったときへの対策が必要です。通常、ローンを組むときには返済できなくなったときに金融機関が大きな損失を負わなくて済むように保証人か連帯保証人を立てることが求められます。
保証人や連帯保証人は借り主が返済できなくなったときに代わりに返済する義務を負うのが特徴です。連帯保証人の方が保証人よりも強い義務を負うことになり、返済を求められたら抗弁をすることすらできずに速やかに返済しなければなりません。
保証人の場合には本当に借り主が返済できない状況になっている場合にだけ返済する義務を負うので、単純に借り主が滞納しただけで返済能力があるなら断ることが可能です。これに関連して保証人は借り主の財産からの返済を求めることもできますが、連帯保証人にはその権利がありません。この他にもまだ違いはあるものの、保証人でも連帯保証人でも返済が滞っただけで多大な迷惑がかかってしまうことは確かです。
そのため、基本的にはローンを組むときには保証人も連帯保証人も不要なものを選ぶことが必要になります。
現在では少額の借り入れに向いていて生活費に使いやすいカードローンでは保証人不要のものが多くなっています。
少額なので比較的金融機関側もリスクが少ないからです。しかし、不動産投資ローンなどのような高額融資や事業用ローンなどの場合には連帯保証人が求められることがよくあります。事業目的でお金を借りて事業に失敗すると返せなくなるというケースは少なくありません。このようなときにはよく調べて保証人がいなくても借りられるものを探すのが大切です。
借りるときには知られないようにするのが大切
借りるときにはもう一つ重要な考え方があります。それは自分がお金を借りているという事実を知られないようにすることです。お金を借りるのは恥だと考えている人も世の中にはいます。自分の家族がお金を借りていると知っただけで迷惑だと感じる人もいますが、ただの知人でも嫌がることがあるので注意が必要です。
本当に腹を割って話せる間柄の人に知られるのは問題はありません。しかし、親ですら気にかけることがあるので注意しましょう。親の場合には逆に親心でお金を貸そうと言ってくれる場合もありますが、それが迷惑になることは確かです。親しい人ほど気遣いをさせて苦労させることになるので知られないようにするのが無難と言えます。
ローンの申し込みから融資実行までの取引の流れには様々な形があります。店頭で手続きをしなければならない場合には出入りのときに見られてしまう可能性があるでしょう。銀行であれば相談内容をごまかすことができますが、消費者金融のときには明らかに借金をしているとわかってしまいます。
電話や郵送、ウェブフォームやメールなどで申し込み手続きを行える金融機関を選ぶのが賢明です。家族と同居している場合には郵送物にも気をつける必要があります。ローンカードが発行される場合には本人確認郵便などで受け取るのが一般的ですが、封筒から借金に関わる会社からのものだとわからないようになっていた方が安心です。
一緒に住んでいる人が封筒を見てしまうことはよくあるからです。もう一つ気にかけておいた方が良いのが在籍確認で、勤め先に電話がかかってくる場合があります。
その際に日時をうまく調整して自分が出られるようにしてくれる、あるいは他の人が出たときでもローンに関わる内容だとわからないようにしてくれる金融機関を選んでおくのが大切です。同僚に知られるだけで迷惑になるとは限りませんが、それが噂として広まって家族に迷惑がかかる可能性がないわけではありません。
返済できないときに取るべき手順とやめておくべきこと
他人に迷惑をかけないためには堅実に返済することが最も重要です。しかし、借り入れが大きくなってしまってどうしても返済できなくなることもあります。
その際に取るべき手順として、まずはお金を借りている金融機関に連絡をしましょう。事情によっては支払額の調整や支払い計画の見直しをさせてくれることがあります。この際に一時しのぎとして他のローンを借りて支払いをすると多重債務になって借金を増大させてしまうリスクが高いので注意が必要です。
また、家族や友人からお金を借りたいと相談するのも迷惑になってしまうことは否めません。ただ、この段階で借りて多少の迷惑をかけてしまった方が良い場合もあるので長期的な視野で考えて判断しましょう。
もし金融機関に連絡を取っても対処できない場合には滞納することになります。そのまま放置していると利息が大きくなってしまうだけでなく、保証人や連帯保証人に連絡が行くことになってしまいます。
保証人や連帯保証人が不要なローンを組んでいるときには保証会社が肩代わりをしてくれますが、保証会社から督促状が届くので注意しなければなりません。手紙や電話、メールなどで連絡が来るため、周りに知られるようになる可能性が高くなります。このような状況に対策するために役に立つのが債務整理です。
債務整理の方法による保証人や連帯保証人への影響
債務整理は借金をして返済が困難になってしまったときに活用できる手段で、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の四つが典型的な方法です。専門家に相談して手続きをすることによりどれも実行できますが、保証人や連帯保証人がいる場合にはどれを行っても迷惑がかからないというわけではありません。
債務整理をすると保証人や連帯保証人に対して請求が届くことになります。借り主が支払えなくなったときに最初に責任を負うのが保証人や連帯保証人と定められているからです。しかし、保証人や連帯保証人を定めていなくて保証会社が対応してくれている借金だけ債務整理の対象とすれば、その部分に関して他人に迷惑をかけることはなくなります。それができるのが任意整理と特定調停です。
任意整理と特定調停は対象とする貸し主を選んで交渉を行うことで借金の条件を変更したり、減額をしてもらったりする方法だからです。複数の借り入れをしているときには、保証会社を利用している借金だけを選んで任意整理か特定調停を行うと負担を軽減できます。これに対して個人再生や自己破産の場合には裁判所を通した手続きを行うことになり、債権者平等の原則が適用されるのが特徴です。
この場合には一つでも保証人や連帯保証人を立てている借金があれば、その人に請求が届くことになります。保証人や連帯保証人をお願いした借金があるときには専門家に債務整理を依頼し、任意整理や特定調停で行いたいことを伝えれば良いでしょう。
まとめ
借金をするときに他人に迷惑をかけないためには保証人や連帯保証人が不要なローンを選ぶことがまず大切です。返済が困難になったときに用いられる債務整理は対象になった借金の保証人や連帯保証人に請求が届くことになります。
既に保証人や連帯保証人を立てている借金があるときには、それ以外の借り入れに対して任意整理や特定調停を行えば、その人に迷惑をかけずに返済の条件や金額を変更可能です。返済に困ったら専門家に相談して債務整理を検討してみましょう。